No.172 2024年2月6日
元気ですか?
僕たちは、みんなで出迎えました。
まだまだ若い、ずっと年下の弟、カイザーを。
1代目のベートーベン姉さん、ヨハンとバナ子、
そして僕がそろって。
カイザーは、たくさんの友だちからもらった抱えきれない
ほどのおやつと、クマのぬいぐるみを持ってやって来ました。
まさか、カイザーがこんなに早く、こんなに急にここへ来るなんて
思いませんでした。
姉さんは、カイザーが自分と同じ”悪性腫瘍”という病気にかかって
しまったことを、とても悲しんでいました。
病気になってしまったのは、仕方のないこと、ではあるけれど・・・、
たった5才の弟を迎えるのは、それはつらいことでした。
カイザーは、僕たちの中で1番元気いっぱいで、1番明るくて、1番
友だちが多くて、そして、1番たくさんの人から愛されていたと思います。
あまりにも愛されているから、きっと神様が、自分の手元にカイザーを
呼びたくなったんでしょうね。
僕たちのところへカイザーがやって来て、お店のお客様やカイザーの
友だちから、うちの店にきれいな花がたくさん届いているみたいです。
階段やショーケースの前が、「カイザー君へ」と届いた花であふれて
います。数えてみると、30くらいあるとママが言ってました。
一緒に遊んだ友だちからのカードには、「川遊びやお散歩、
たくさんの思い出をありがとう!」と書いてあります。
花を届けてくれたお客様が、こんなことを話しているのが聞こえて
きました。
「仙台へ引っ越してきて間もない、まだ何もわからない頃に
このお店に来て、カイザー君に出会いました。
カイザー君に会えた日は、『よし、今日はいいことがあるぞ!』って
元気が出たんです。
だから、この花はカイザー君への感謝の気持ちです。」
これから、カイザーに教えてもらわなくちゃ。
どうすれば、君みたいにたくさんの友だちができるのか。
どうすれば、君みたいにたくさんの人に愛されるのかをね。
カイザーですか?
さっそく新しい友だちができて、一緒に走り回っていますよ。
広い広い、白い雲のドッグランを。
これからは、僕たちが見守っていきます。
今日はここまで、またね。
Beethoven
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