No.141 2009年6月8日
元気ですか?
突然、夏のように暑くなったり、今度は雨が降って涼しく
なったり。その日の天気によってヨハンの体の調子も
快調だったり、よくなかったり。
なんとなく落ち着かない日が行ったり来たりしています。
さて、あゆちゃんがイタリアへ旅立って2ヶ月が経ちました。
週に3日は、朝8時から大学の授業。休日はフィレンツェへ、ローマへと
忙しく過ごしているみたいです。
きっとあゆちゃんのことだから、食事や洋服代を切りつめていろんな所へ
出かけているんだろうな。
お、きたきた、イタリアからのメールが。
「今度の連休はザルツブルグへ“サウンド・オブ・ミュージック”ツァーに
行く予定なんだ。」
ひろちゃんの高校の修学旅行は、ザルツブルグとウィーンへ音楽研修。
「“サウンド・オブ・ミュージック”で役に立ちそうな学校の資料、ある?」
ひろちゃん達の旅行は、ザルツブルグでは歌を歌うことが中心。
映画の中の曲を何曲も、一生懸命英語で練習したみたい。
だけど、映画が撮影された場所をあちこち訪ねるわけじゃないから、
あゆちゃんの役に立ちそうな資料は見当たりません。
さて、どうしようか、“サウンド・オブ・ミュージック”。
・・・そうだ。ママのお姉さんの資料があるに違いない。
中学生の時に映画を見て、大学でドイツ語を勉強することを決めた人だもの、
いろいろと調べてあると思うな。
ママは、お姉さんの遺品のLPレコードが並ぶ棚を探しました。
これは、グレン・グールドのピアノ、こっちはエーリッヒ・ケストナーの朗読、
そして、あった、あった、サウンド・オブ・ミュージック。
お姉さんが天国へ旅立ってから3年半、レコードにはまだ1度も触れて
いませんでした。
ジャケットを開けると・・あぁ、やっぱり中にはいろんなものが入ってる。
映画を紹介してある、茶色くなった古い古い新聞の切り抜き。
この小さい紙切れは?
「青森セントラル劇場 中学生150円 同時上映 エデンの東」
うわっ、お姉さんが中学生の時に観た映画の半券だ。
そして、びっしりと字で埋まっているレポート用紙が何枚も。
これは、なんだろうね?
左側に、映画で使われた歌の英語の歌詞、右側に日本語の訳詞。
すごいな。中学時代のお姉さんが、自分で納得のいくように歌を
訳してみたんだ。
「翻訳のコツ」という、Asahi Weeklyの切り抜きもあります。
歌の雰囲気を伝えるように考え抜いて訳したに違いない訳を読みながら、
ママは不思議な気持ちになったそうです。
自分のやりたいことをやり抜いたママのお姉さんとあゆちゃんは、
どこか似ている。
お姉さんが人生を決めることになったサウンド・オブ・ミュージックの舞台の
ザルツブルグを、あゆちゃんとひろちゃんがほとんど同時に訪ねる。
もしかしたら、これが“血”、かな。
これから2人にどんな人生が待っているかわからないけど、きっと、
なるようになるさ。 そう思ったって。
お姉さんの古い訳詞も残念ながらあゆちゃんの役には立ちそうもないから、
ママはオーストリアのガイドブックを調べてみました。
「撮影地を巡るサウンド・オブ・ミュージック・ツァー
観光バスで4時間 35ユーロ “ドレミの歌”の登山電車にも乗ります」
これだね。
ヨハンは、ひろちゃんからのオーストリアのおみやげ、骨のおやつが
お気に入り。すごく硬くて噛み砕くのが大変みたいだけど、
手ごわいほど僕たち犬にとっては噛みがいがあるってもんさ。
今日はここまで、またね。
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