ベーからの手紙      

No.161  2013年8月29日

 元気ですか?
 8月になってもいつまでも肌寒いと思っていたら、
 突然の暑さと強い陽射し。
 そしていつのまにか、また涼しい風が吹くように
 なっています。
 今年の仙台の夏は、短かったみたいですね。



バナ子は、春の胃捻転の手術から順調に回復し、40キロ台に減った体重も
元に戻ってきました。
だけど、大手術で体力がすっかり落ちてやせていた間に、全身が皮膚炎に
とりつかれてしまいました。「助からないかもしれない。」と言われた重症の病からは
よみがえったのですが、退院してからも病院通いの日が今もずっと続いています。

ほんの少しの流動食に、たくさんの飲み薬。
体の回復に合わせて食事の量を少しずつ増やしていっても、錠剤の量が
減ることはありません。 胃の手術後の薬と、皮膚炎の薬。
セント・バーナードとしてはバナ子は小柄なのに、こんなに薬を飲んで
大丈夫なのかな、と心配になるくらいです。

病院から、「皮膚の治りが早い」と全身の薬浴をすすめられました。
 「できるだけ毎日、お風呂に入れてください。」
毎晩、家族全員の入浴が済んだ後に、浴槽にイオウ成分の薬剤を溶かします。
床にバスタオルを何枚も広げます。
体をふくためのバスタオルも、何枚も用意します。
そして、ドライヤーを2台。 これで準備オーケーです。
 「バナ、おいで。 お風呂に入ろう。」

最初の内は入浴をいやがっていたバナ子ですが、何日か経つとあきらめ顔になり、
声をかけられると自分から浴室に足を運ぶようになりました。
皮膚をマッサージするようにこすりながら、全身に薬湯をかけていきます。
特に症状がひどいのが、足とお尻。念入りに何度も白いお湯をかけます。
首から胸、背中、脇腹、太もも、しっぽへもざぶざぶと。
両耳は、タオルでお湯にひたすように、そっと。
薬浴が終わったら、2人がかりで、バスタオルで全身をゴシゴシゴシ。
お次は、ドライヤー2台で毛を乾かします。ブーン、ブーン。
バナ子は気持ちよさそうに目をつむって、家族総出での奉仕を受けています。

そして掃除機をかけて、バスタオルの山を積み上げて、はい、終了です。
バナ子へは、ごほうびのヨーグルト。
みんな、お疲れ様でした。

毎晩、薬浴を欠かさなかったおかげで、皮膚の症状はどんどんよくなって
いきました。 胃も大丈夫みたいだし、これでようやく病院通いから
解放される、とみんな思ったはずです。
ところが・・・。

なんと、また、バナ子に新たな異変が起こってしまったんです。
前足を恐る恐る何度も宙に差し出し、地面をたしかめるようにしながら歩き
出す。歩きながら物にぶつかる。方向違いへ歩いて行く。
歩きたがらなくなり、目をつむってじっと伏せている。
つまり、目が見えなくなっている、というわけ?

診断は、角膜潰瘍。
 「両目がかかっているけれど、特に右目がひどいですね。
 表面が白い水泡になっています。これがつぶれてしまったら大変、失明です。
 手術はできますが、大手術をしたばかりなのでおすすめしません。
 毎日、3時間おきに2種類の目薬をさして、時間をかけて治しましょう。」
薬浴用のイオウ成分が目に入ってしまったのかもしれません。
 「お風呂は、首から下にしてください。」と動物病院の先生。

関節炎、子宮蓄膿症、胃捻転、全身の皮膚炎、そして両目の角膜潰瘍。
次から次へと病気に襲われて、大変だったね。
でも、それにしてもバナ子、君の生命力は本当に強いよ。
どんな時でもしっかり食べて、自分の足で起き上がろうとする。
そのたくましさに脱帽!

今年の夏は、ひろちゃんと毎日べったりと一緒に過ごすことができたし、
病院通いも今は2週間に1回になったし、もう少しの辛抱だね。
   
                            今日はここまで、またね。 
                                 Beethoven


1ヵ月間、一緒に過ごせました


遠出はしなかったけれど、毎日のんびり

う〜む、ちょっと太り始めたバナ子

9月からは静かな日々になります
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