ベーからの手紙      

No.156  2012年5月4日

 元気ですか?
 花の季節になりましたね。
 1年前は、みんな花の美しさを楽しむ余裕なんて
 なかったみたいだけれど、今年は西公園も
 お花見に来た人達でにぎやかでした。

 
 
いつも、「バナ子はどうしてる? バナ子、元気?」と電話してくるひろちゃんが、
4月の連休にちょっとだけ帰ってきました。
久しぶりに会ったバナ子とひろちゃんは、犬の姉妹のようにじゃれ合い、
体をぶつけ合って喜びます。

普段の疲れを忘れるために山へ行くのが、僕の時代からの我が家の楽しみ。
蔵王の頂上近くへ向かいます。
山の桜が咲くのはこれから、山の上はフキノトウの季節でした。
ヨハンも登った春のスキー場、今年は斜面一面にまだ雪が残っていました。
 「バナ子〜! 行くぞ〜!」
雪の斜面を滑り下りようと、ダンボールを手にひろちゃんがどんどん山を
登って行きます。
初めてここへ来た時はうれしさのあまり飛び跳ね、ピョンピョンとひろちゃんの
後を駆けて行ったバナ子ですが、今年は少し様子が違います。
去年の12月に子宮を摘出する手術をしてから安静の期間が続き、
その後もずっと散歩の時間を短くしていたせいもあるのか、バナ子は少しずつ
太り始めました。太ると、動くのをいやがるようになります。
すると、ますます太ります。今ではすっかり丸い体。
大喜びするはずの雪原に来ても、大好きなひろちゃんに呼ばれても、
のそのそとつらそうに山を登って行くバナ子。
これは、本気でダイエットを考えないといけないみたいですね。

さて、外で食べる食事は、簡単でもいつもと違っておいしいもの。
目の前でおにぎりとタケノコの煮つけをパクパクと食べる家族を、バナ子は
じっと我慢しつつ見つめていました。
ごはんが済むと、次は丸くて大きなリンゴのケーキ。
あれ、バナ子の目の色が変わったような・・・気のせいかな?
大きめのひと切れを、ひろちゃんがフォークで取ろうとしています。
少しずつ、ケーキがお皿から動いて出てきます。
あ! バナ子が動いた!
素早くひろちゃんの手元のケーキをくわえるとズズッと引っ張り、一気に口の中へ。
 「こら!! バナ子〜!!」
バナ子は、大慌てでゴックンとケーキを飲みこみます。
そして、ペロリと舌なめずり。

おいおい、なかなかやるじゃないか、妹よ。
僕は、パパとママが恐くてとてもそんなことはできなかったけど。
まぁ、今回はたまの家族旅行だからと大目に見てもらえたようだけど、
うちの家族は怒ると恐いんだから、気をつけろよ。
それに、甘いものを食べると、また太っちゃうぞ。
                          
                            今年はここまで、またね。 
                                 Beethoven

心地よい広瀬川の風と緑の空気

山の途中の温泉の足湯です

雪解け水をこわごわ飲むバナ子

飼い主と愛犬というより、まさに姉妹
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