ベーからの手紙      

No 114.FEB .14. 2005.



元気ですか?
次の冬のオリンピックは、イタリアのトリノという街で
開かれるんですってね。
新聞に、こんな記事が出ていました。
「日本だったらとっくに完成させている会場も、まだ基礎工事の
 段階。」 「アテネと同じで誰も急がない。」
         「現地の人はこう言う。大丈夫、前日までには出来上がるさ。」
         パパとママは、思わずクスッと笑っていました。

イタリア・セント・バーナード・クラブ、AISBの会報の12月号が、1月の末に
ようやく届きました。
編集長のグイドさんからメールが来たのが12月21日。
 「明日、世界に向けて送る予定だ。 もちろん、君にも。
  マーキュリーのところにもね。」
でも、クリスマスの季節と重なるとヨーロッパの郵便局はプレゼントの配達で
大忙し。いつ届くかわからないかもねぇ。
世界中のセント・バーナードの仲間達に会報を送るんだから、
送料だってきっと大変ですよね。
だから郵便は、あちこちの港に立ち寄る船の旅。とても時間がかかります。
イタリアの仲間とのお付き合いを続けていくうちに、最近は僕達も、
日本とは違うイタリアのゆったりした時間の流れや、イタリアの人達の考え方に
だいぶ慣れてきたつもりです。
初めの頃は、イタリアからの荷物や手紙がなかなか届かないと、
「途中で何かトラブルがあったのかな?」と心配になって、グイドさんに
連絡していました。   返事は、いつもこうでした。
 「大丈夫、心配しないで。そのうち、きっと届くから。」
その通り、首を長ーくして待っていると、必ずちゃんと届きました。
日本の郵便の配達は、とてもきちんとしています。
日本の人達は、それが当たり前だと思っているのかもしれません。
 「あのさ、こっちの郵便配達はひどいもんだぜ。
  イタリア国内でも数ヶ月かかって届いたことがあるからね。」

イタリアで何年間も生活して、今、イタリアの人達を相手に仕事をしている
高梨お兄ちゃんは(AISBの会報の翻訳をしてくれた人です。)、
イタリアから日本へやって来たセント・バーナード、マーキュリー君の話を
聞いてこう言いました。
 「個人のやり取りで無事に日本へ到着したのは、奇跡に近いですよ。」
それは、マーキュリー君の日本への旅立ちに関わった、生真面目で、
とても責任感が強いイタリアの仲間達のお陰です。
 「最後には、きっとうまくいくさ!」
そう言って決してあせらず、あきらめない、そんな人達です。

だから、どうか気長に待って下さい。 イタリアからの樽が届くのを。
僕達セント・バーナードが首につける、おしゃれな樽。
人から聞いた、ホームページの写真を見た、と、時々、
イタリアの樽が欲しいという人からメールが来ます。
するとパパはイタリアに連絡をして、その人達が樽を買うお手伝いをします。
でも、すぐに届くわけじゃありません。
注文をするのは日本からだけじゃなくて、他の国の人々も、
もちろん、イタリア国内のセント・バーナードの家族も、です。
1個ずつ手作りの樽は、出来上がったら順番に送られます。
さて、次の樽を作るのは、風の吹くまま、気の向くまま、あせらず、のんびり!
それに、イタリアのクラブ・AISBの役員の人達は日中は仕事があります。
クラブのために働くのは、自分の仕事が終わってから。
 「数ヶ月は覚悟して待っていて下さい。」
パパは、樽を注文した人にこう伝えるけれど、待ち切れなくなるみたいですね。
 「まだ届かない。 どうなってるの?」
日本からのいつもの問い合わせに、グイドさんは答えてくれます。
 「きっともうすぐ届くよ。 もう少し待ってて。」
時計の針が進むのをちょっとゆっくりにして、のんびり待っていて下さいね。

本当は、イタリアから樽を買うお手伝いをするのはもうやめようかな、と
思ったことも、パパは何度かあるそうです。
いろんな人がいるみたいですから・・。
樽が届いても、何の連絡もくれない人。
見ず知らずなのに、「手続きが面倒だから、お宅で買ってうちに送って。」と
言ってくる人。
「ぜひ欲しいので、すぐに手配をお願いします。」と何回かの長いメールの後、
ぷっつり連絡が途絶えた人。
この時は、イタリアの仲間にも心配をかけてしまいました。
日本からお金を振り込んだのに何かトラブルがあったのかと、調べてくれました。
 「申し訳ない。」と謝るパパに、グイドさんは、
 「オーケー、気にしないさ。 担当者に伝えておくよ。
                              イタリアの友より 」

でも、でもね、樽が届いてとても喜んでくれる人達もいるし、
やっぱり、パパとママは好きなんだってさ。
イタリアの仲間と、セント・バーナードが・・・。
 (現在の価格は、樽1個・36ユーロ、送料が10ユーロ
   樽が2個の場合の送料は15ユーロです。)
                                今日はここまで、またね。
                          
                                        Beethoven
12月号の表紙はショーの入賞犬
右下の犬がつけているのがイタリア製の樽

水飲み場に入り込んだ犬
「バーリーカップ」の特集写真記事
マーキュリー君の家族も載っています
ショーの模様です
No.113 No.115