ベーからの手紙      

No.140  2009年4月11日

 元気ですか? 
 あっという間に、あたたかい季節になりましたね。
 仙台は、今、桜が満開です。
 家の回りでは色とりどりの花が咲いています。
 ヨハンは毎朝、花の中をゆっくり歩き回っては
 匂いをかいでいます。


さて、春から、うちの家族は人数が1人減ってちょっぴり寂しくなりました。
4月1日、あゆちゃんが大きな声でヨハンに呼びかけます。
 「ヨーハーン! 元気でいてね! 行ってくるよ!」
20キロの荷物が入った大きなスーツケース。
体に斜めにベルトをかけたバッグにはパソコン。
そして、肩から下げたもう1つの重いバッグ。スーツケースに入りきらなかった
何冊もの辞書の重みが肩にくいこんでいます。
 「平気。 がんばる。」
夜の飛行機でパリへ向かい、パリからローマ行きの便へ乗り換えです。
そこから、大学があるペルージャを目指します。

大学生になったあゆちゃんは、海外の大学と交換留学の制度があることを
知りました。
アメリカ、イギリス、韓国、中国、オーストラリア、そして・・イタリア。
イタリアの大学に行きたい!
あゆちゃんは夜遅くまでアルバイトをして、2年間、イタリア語の会話教室に
通いました。
ペルージャから仙台の大学にやって来た学生たちともお付き合い。
一緒に買い物をしたり、遠出をしてこけしの絵付け、クリスマスパーティー。
 「やあ! イタリアに来るのを待ってるよ。 会うのが楽しみだ。」
イタリア・セント・バーナード・クラブの仲間、グイドさんとヴィットリオさんから
メールが届きました。

春が近づいてきて、あゆちゃんは出発の準備を始めました。
まずは、歯と、痛むのどの治療を終わらせなくちゃ。
腰が悪いけど、イタリアに整骨院はないよね。
だから、コルセットとホッカイロは必需品。
服と靴は何を持って行こうか。 オペラを観に行く時の服は?
和食が大好き、お茶漬けとお茶のパックは大切。
こうして荷物は積み上がっていくのに、一番肝心の準備が3月に入っても
まだできずにいるみたいです。

ペルージャから仙台への留学生のためには大学の寮があるけど、
ペルージャへ行く学生は自分で住まいを見つけなくちゃいけないんだって。
ところが、イタリアからの返事がなかなかこない。
住所が決まらないと、イタリア大使館にビザの申請ができないんだね。
どうする、あゆちゃん?  イライラと日が過ぎる3月。
 「き、きたあ! 連絡がきたあ!!」
待ちに待ったイタリアからの証明書。 
 「あれ、ここ見て。 大家さん、あゆと誕生日が一緒だ。
  これって何かの運命かも!」
ふむ、あゆちゃんの考え方、だいぶイタリア的になってきてるみたい。

さてと、残る準備は・・。
 「ちょっと、いつになったらスーツケースに荷物しまうの?」
出発の数日前、妹の高校生のひろちゃんが、あゆちゃんに声をかけます。
 「う〜ん、だって面倒なんだもん。」
 「私がやってあげるから、荷物を持ってきなよ。」 「ほんと!?」
夜遅く、ひろちゃんが荷造りを始めました。やれやれ、しょうがないなぁ。
スーツケースの重量制限は20キロ。
 「辞書は重いから出すしかないね。 手荷物で持っていこう。」
うん、これで、やっと準備完了!

ヴィットリオさんからからのメールです。
 「ところで、イタリア語は、もう話せるのかい?」
ママが返事を送りました。 「ええっと、多分、ちょっとだけ。」
 「なるほど。 あとは、こっちで覚えるさ。」
 
 「ヨハン! じゃ、あゆ、行くよ!」
いつもとどこか違うあゆちゃんの様子を、ヨハンは怪訝そうな顔つきで
うかがいます。
きっとヨハンは、あゆちゃんが帰ってくるまで元気でいるさ。
イタリアのセント・バーナードたちにも会えるといいね。いってらっしゃい!

                            今日はここまで、またね。 
                                 Beethoven

春の陽気で朝からうつらうつらするヨハン

ムスカリの花はどんどん増えていきます

2〜3日で、あらゆる花が一斉に開花

この春は、つぼみの時期が本当に短いです
No.139 No.141