飼い主の つぶやき


    2018・10・1〜2018・10・15

 2018.10.1(月)
                   (子犬じゃないですよ。5才のバナ子です。)           
我が家の愛犬たちとの出会いは、みなそれぞれ運命だと9月に
書きましたが、思い出しました、バナには、もう1つ運命があったんです。

子犬の時に生死をさまよう病気をして、訓練所で居候として暮らすことに
なったバナ子。
その時、我が家にはヨハンがいました。

店から西公園へ散歩をするヨハンの姿を見て、近くの会社で働く、当時の
私たちよりもずっと年上の男性が、「セント・バーナードを飼いたい」と
店を訪ねてきました。
その後、奥様も連れ立ってヨハンに会っていかれましたが、奥様は
あまり賛成の様子ではありませんでした。
 「あなたは口だけ、結局、面倒みるのは私なんだから。」と。

それでもご本人の熱は冷めやらず、訓練所にいる1才くらいになっていた
バナ子に会いに行くことになりました。
ところが、ちょうどその時、バナは高熱が続き、とても人に会える状態
ではないと断られたそうです。
結局、大きな犬を飼うことに乗り気ではなかった奥様の意見が通った
ようで、それっきり、その方が店に来ることはありませんでした。

もし、その日、そのご夫婦とバナが面会していたら・・・。
その日、高熱が出ていたバナに感謝。
 2018.10.2(火)
             (ヨハンの写真と、バナ子のウチワ) (バナ子だよ。)             
店で看板犬である私たちの愛犬を見たり、散歩しているのを見かけたり
した方が、「セント・バーナードを飼いたいんですが、どうすれば
いいですか?」と声をかけてこられることは、何度もありました。

今、12才となった2代目デコちゃんのご家族も、そうでした。
よく店においでになり、豆を買ってくださっては2代目のベートーベンを
見ていらしたんですね。
1代目のデコちゃんも、今の2代目のデコちゃんも、ご家族みんなから
本当に大切にされ、愛されています。
犬たちには、みなそうであってほしいのですが、残念ながらそうならない
こともありました。

ヨハンが歩く姿をよくご自分の昼休み中に見ている方がいて、「飼いたい!」
と店に来られて、ご自身で訓練所から子犬を受け取っていかれました。
でも、だいぶ成長した頃になって、ご家族からメールがきました。
 「こんなに大きくなるとは知らなかった。扱いきれない。わたしは
小さい犬を飼いたかったのに。」云々・・・、罵詈雑言が記されていました。

あの子も、年齢的にもう天へ召されているでしょうが、その後、どんな
人生・・・犬生を送ったんだろう、とたまに気になっていました。
どこか、他の家庭に引き取られたかな。

大きな犬は、家族全員の同意、協力がないと、一緒に暮らすのは
難しいですよね。
 2018.10.3(水)
                (あぁ、忙しい、忙しい。 せかせか、ふんふん。)       
昔も、成長して大きくなったセント・バーナードが手に余り、「いらない」と
言い出す人は結構いたけれど、今もあるんですねぇ。
「差し上げます」というお知らせが。

子犬ちゃんがなかなか産まれないから、つらつらとネットを流し見して
いると、何かの間違いじゃ?と見直しをするくらい、目が飛び出るような
価格で子犬を売っているブリーダーさんもいれば、昔は、こういう子は
「差し上げます。ただし、血統書なしで。」という形で譲っていたもの
なのに、という外見の子犬にも、ひょえ〜!とびっくりのお値段が
つけられていたり、そして、「2才、性格のいい子です。」とだけあって、
譲渡の情報が載っていたり。
本当に止むを得ない状況なら仕方がないけれど、どうなのかなぁ。

「訓練所に預けている間に犬がいない生活に慣れて、家内がもう
 いらないと言っている。」
「鳴き声がうるさい」と近所から苦情が来たために訓練所に預け、
これもまた、「家内がいらなくなった、引き取り先を訓練所で探して
 くれないかと言っている。」
このご夫婦は、たしか、奥さんが「欲しい」と言って飼い始めたはず
だったのに。

ドッグショーで自分たちがハンドリングをして、面倒をみていた犬たちが
家族と別れてよそへもらわれていくのは、なんともさびしいものでした。

今度、生まれてくる子犬ちゃんが老犬になる頃は、自分たち自身が
おじいちゃん、おばあちゃん。
まずは、自分たちが健康でいるように気をつけなくちゃ。
 2018.10.4(木)
            (ネコが来ないか見張りをしてなきゃ。→ 「バナちゃん」 なぁに?)      
実家の修理で大工さんが来るため、パパさんが立ち会い。
床下にもぐってもらったら、震災の時になったと思われる壊れている
箇所がいくつも見つかりました。 ありゃ〜。
震災後の修理は、瓦や天井・壁など、見えるところにしか気が回り
ませんでした。
請け負ってくれた建築会社さんも、あの時は次々と入る仕事をこなすので
精一杯、とお見受けし、床下を確かめてみましょう、という余裕など
互いにない状態でした。
 「早めに直した方がいいですよ。」 ・・・そうですよねぇ。

2代目のベートーベンから、ヨハン、バナ子の3頭は、実家に行くと
玄関で眠っていました。
父は、体が大きなべーに対してちょっとおっかなびっくりのようなところが
あったけれど、生家でずっと秋田犬を飼っていた母はすんなりと
受け入れ、「べー! べー!」とかわいがってくれました。

父が自分から寄っていったのは、ひと回り体が小さかったヨハン。
「よっ」と声をかけ、男同士、という連帯感を持っていたみたいでした。
父とヨハンは、いろんな所へ一緒に旅行しました。

バナの時は、もう両親のどちらとも触れ合うことはなく、バナ子は
我が物顔で庭をのし歩いていました。 ここも、わたしの縄張りよ!と。
 2018.10.5(金)
                     (”三姉妹”の時期を楽しく過ごしました。)  
べーと旅や遠出を楽しむようになったのは、大きなドッグショーで
日本一の賞を取って引退してから。
それまでは、ショーや競技会のために県外に出かけてはいましたが、
休日を楽しむための旅行ではありませんでした。
引退後は、私の両親と共にいろんな所へ出かけました。

ヨハンは、一緒にフェリーに乗って北海道旅行もしましたし、青森へ、
山形へ、福島へ、蔵王へ、あちこちで泊まりました。
初めて温泉に行った時は、家族の後をついて自分も宿に入ろうとし、
自動ドアに激突。
自分は入れないとわかると、かなり焦った表情をしていました。
「置いて行かれるのでは」と、昔の記憶がよみがえったのかもしれません。

バナの時は、パパさんが長距離の運転はつらくなってきたので、
県外への旅行はなし。 バナは、宮城蔵王にお泊りが専門でした。

愛犬がいないと、休日にそうやって出かけることもなく、普段、歩くことも
なく、行動範囲が狭くなっています。
体は、なまる一方・・・。
 2018.10.6(土)
              (うおりゃっ!せいや〜っ! 今年も柿が実ってます。)     
ヨハンとバナは、蔵王のゴンドラにも乗りました。
「だめもと」のつもりで、「この子も乗っていいでですか?」と聞いてみたら、
わりとすんなり、オーケーが出ました。

バナの時は濃い霧のため、さらに上に登ろうという人が他になく、
貸し切り状態でした。
私たちは、単にバナのゴンドラ体験のために乗りこみました。
でも、こわがりのバナは乗る時がおっかなびっくり。
 「ほら、バナ、おいで。大丈夫だから。」と声をかけ、バナは意を決して
 「えいっ!」と中へ。
乗っている間も、きょろきょろと落ち着きがなく、なんとなく不安そうでした。
駅で下りると、周辺は霧で真っ白。
ほんの少しだけ歩いて、これ以上いてもしょうがないね、とすぐに帰路へ。

ヨハンは、自分で乗り場の足元を見て、「ほっ!」とうまく中へ乗りこみ、
乗っている間も静かなものでした。

いろいろと手間がかかるこの子の方がみんなに面倒をみてもらい、
かわいがってもらえるんだから、ヨハンは損だったよね。、
 2018.10.7(日)
                (秋って、さびしいな。 ねぇ、そう思うでしょ?)  
乗りこむときの足元が不安定で、揺れるゴンドラも怖かっただろうけど、
店の階段もヨハンとバナにとって難関の存在でした。

2代目のべーが過ごした前の店の階段は、今の店のよりもゆるやかで、
途中に踊り場があって折れ曲がっていました。
だから、一気に上り下りをしなくちゃいけない、という恐さはありません
でした。

今の店の階段は一直線で、犬にとってはかなり急です。
ヨハンは、上りはまったく問題がなかったけれど、初めて下りた時、
足運びのタイミングがわからずに、ドドドドッ!と足を踏み外す1歩手前
の状態で滑り落ちるように一気に下へ。
ショックを受けたような顔をしていました。
2回目からは、慎重に足を運んでうまく下りることができました。

上りも下りも大変だったのが、バナちゃん。
あせって上がろうとしてかえって足を踏み外し、そうすると余計にあせり、
の悪循環。
うまく上がれるようになるまで、すぐ下から見守り、足を踏み外すと
バナのお尻を持ち上げて支えました。
体が小さなバナだからできたこと。と言っても、55キロの体重は
決して軽くはないけどね。

晩年は、多分見えなくなっていたからだと思いますが、ヨハンも
下りはためらうようになりました。
バナは足の悪さが顕著になり、急な階段の上り下りが難しくなったので、
車の中で過ごすようにしていました。
そして、最娩年は店の1階のレジの後ろで。

階段のない場所で過ごさせてあげたいけれど、店の構造上、それは
無理。
新しい子にも、階段の洗礼を受けてもらわなければなしません。
 2018.10.8(月)
                 (西公園でのヨハン)   (西公園でのバナ子)
歩道橋の階段は急ではないので、ヨハンもバナ子もまったく問題
ありませんでした。

ヨハンなど、得意そうな顔で嬉々として駆け上がっていました。
てっぺんに着くと、夕方の散歩の時は向こうの空にに夕焼けが広がり、
自分がどう映るかを意識しているかのように、そこで立ち止まり、まるで
夕焼けを眺めているかのようなポーズを取ったものです。

バナちゃんは、「よいしょ、うんしょ、そぉれ!」という感じで1段ずつ
一生懸命に上がります。
下りてくる人がいて自分の進路を妨げられると、むっとした顔になります。
ヨハンは、さっとよけて道を譲ったけれど、バナの場合は、「わたしが
通ってるんだけど。」という表情で、しぶしぶ。

犬の性格も、どうしてこうも異なるのか、不思議ですねぇ。
 2018.10.9(火)
             (ヨハンとバナは、お兄ちゃんと妹、という感じですね。)  
バナが我が家の家族になったばかりの頃、歩道橋を渡った向こう側の
西公園には、以前の市民図書館の建物がまだ残っていました。
図書館がメディアテークへ移転してからその場所を訪れる人は
いなくなり、建物の横で、バナと持参したおもちゃの引っ張りっこを
したものでした。
ある日、「そぉれ!」と放り投げたおもちゃが、図書館に隣接していた
車庫の屋根の上に着地。 「あ・・・。」 バナと一緒に、しばし茫然。
あきらめきれないバナは、ピョ〜ン、ピョピョ〜ン、と短いあんよで
車庫の周りを一生懸命に飛び跳ねていました。
あのおもちゃは建物の撤去の時に、がれきに埋もれたことでしょう。

そして、我が家に来たばかりの頃のバナにとって、訓練所以外の
世界で初めて見るものがたくさん。
西公園に住みついているネコたちが、バナに驚いて逃げ出すと
自分もダッシュ!
でも、素早いネコの動きにバナちゃんが追いつくはずはなし。
柵をすり抜け、広瀬川に続く崖の向こうにネコが逃げると、「待て〜!」
と自分も柵に突進。
哀れな大きな犬は、柵の間に頭がはさまって、動けなくなりました。
 2018.10.10(水)
               (カメラを向けるとポーズを取るヨハン)(お構いなしのバナ)
 「なに、この”でちでち”感! お尻のあたり、でっちでち!」
バナの立ち姿の写真を見た、ひろの感想です。
 「しかも、脚は短いし、しっぽはおサルみたいにくるんと巻いてるし。」
あらら、バナちゃん、いいとこなし。
 「それと比べて、ヨハンはかっこいいね〜。
  脚は長いし、頭は小さいし。 バナは3頭身だからね。」

そうなんです。
伏せてると、それなりに大きく見えるのに、立ち上がると脚が短くて、
全体のバランスとして頭が大きいバナは、おちびさん。
一方、伏せてる時はそんなに大きく見えないのに、立つと、
脚の長さと頭の小ささが際立つのがヨハン君。

オスのセント・バーナードとして、完成された見事な体の作りだったのは、
店のロゴのモデルになった2代目のベートーベンでした。
店に来た時、飾ってある代々の我が家の愛犬の写真を見て、
「やっぱり、1番いい犬はべーだな。」と言ったのは、かつて共に
ドッグショーを巡った訓練所の所長さん。
 「もう、こういう犬は出てこないな。」

早く出てこい、出てこい、かわいい女の子。 ず〜っと、待ってるよ。
 2018.10.11(木)
                (僕は、ひとりが好きなんだ。) (「バナ子〜、こっちだ。」)
2代目べーとバナは、あべお兄ちゃんとのボール投げ遊びが大好きでした。
遠くに投げられたボールを走って取りに行き、戻ってくると、訓練を
受けた従順な犬は、「出せ」のひとことでパッとボールを受け渡します。

訓練を受けていても、従順ではない場合もあります。
 「このボール、わたしが取ったんだよ。 やだ。 あげない。」
  「バナ子、出〜せ!」
 「や〜だ! わたしのもの!」

また、そもそもボール投げ遊びにまったく興味を持たない犬もいます。
 「なぜ、僕が走ってあのボールを取りにいかなきゃいけないの?」
冷めた態度で遠くに投げられたボールを、その場で見送るヨハン。
仕方がないから、投げた当人が走って取りに行きました。

はしゃぐことがなく、冷静な雰囲気をただよわせていたヨハン。
いつも大騒ぎで、すぐにむきになったバナ子。
どちらも、セント・バーナード。
どちらも、かけがえのない大切な存在でした。
 2018.10.12(金)
                 (ねぇねぇ。 「なに?」 だからさぁ。 「こりゃっ!」)
きのう、帰宅すると、なにか生き物があわてて駆け出す姿が。
多分、タヌキでしょう。
柿の実が地面に落ちてるから、探しに来てたんでしょうね。

バナがいた頃は、タヌキと近づかないように気を遣いました。
ケンカになったら大変だから。
まぁ、バナの気の強さは見かけだけで、いざとなると人の後ろに隠れて
ましたが。

バナは、1度だけ小さな犬に集団で飛びかかられたことがありました。
広瀬川の河川敷で放されていた小型犬の集団が、遠くからバナ子を
見つけると、吠えながらこちらに向かって猛ダッシュ。
1匹が駆け出すと、みんなが同じ行動をとるんですよね。
逃げる間もなく、バナの体に次々と飛びかかる波状攻撃でした。
2人の飼い主さんは自分の犬たちを抑えることができず、ただ
オロオロ。 いつまでも大騒ぎが続きました。
バナが怒った相手は、犬ではなく、飼い主の女性。
後ろから、ジーパンのお尻に遠慮がちにカプッ。
かすっただけだったけど。
バナ子としては、精一杯の怒りの表現。

何度飛びかかられても、かまれても、まったく怒らなかったのはヨハン。
いつも犬を放している同じ飼い主のグループで、しまいにわたしが
本気で怒ったけど。
 2018.10.13(土)
                   (誰か、いないかなぁ。 誰か、来ないかなぁ。)
 「久しぶりに来たんですけど、今日はワンちゃんはいますか?」
あぁ、ほんとに久しぶりに聞く、お客様のこのせりふ。
バナが旅立った5月13日から、ちょうど5ヵ月です。
きのうも、今日も、明日も、残念ながら、もういないんですよ。

そしてもうおひと方、「ワンちゃん、亡くなったんですね。
ホームページで見ました。 以前、西公園で見かけたんですけど、
歩くのが大変そうだったから声をかけづらくて。」
そう、最後の頃は、歩くのが本当にやっと、でした。
後ろ足が痛かったろうに、無理に歩かせちゃったかなぁ。

 「最近、歩いてるところをお見かけしないなと思ってたら、
ワンちゃん、亡くなったんですってね。」
いろんな方が、バナ子を見ていてくださったんですね。
 2018.10.14(日)
                            (店の踊り場でス〜ピ〜ピ〜)
のんびりとした日曜日になるはずが、前の晩から体調を崩して
しまい、丸1日苦しんでいました。
土曜日に、油断して薄着だったのがよくなかったのかな。

急に寒くなってきたから、そろそろこたつを・・・と思ったところで、
またバナちゃんがよみがえりました。
毎年、こたつを出すとうれしそうに、いそいそと布団に寄りかかって
いました。
占領する場所は、ふかふかの長座布団がある座椅子。
目をつむり、至福の表情であたたまっていました。

風邪ひいちゃったみたいだから、こたつを出すね。
あったまりにおいでよ、バナちゃん。
 2018.10.15(月)
                        (ちょうど1年前、10才のバナ子です。)            
バナは、本当にかわいい子でした。
同じようにかわいい子に、きっと出会えるはず。
店に来てくださるお客様、発送のお客様、友人たち、みなさん、
「子犬が来るのを楽しみにしています。」と言ってくださいます。
 「バナ子ちゃんのことを忘れずに、新しい子犬をかわいがって
 ください。」とも。

子犬が手元に来るまでは、外見から性格まで完璧を求めるような
ことを言っても、家族となった子が最高の犬になるのは、いつものこと。
ひろも言ってました。
「顔が真っ白だろうとなんだろうと、結局は来た子がかわいいん
 だけどね。」

その日のために、少しずつ準備をしておかなくちゃ。
子犬のものは、何にも用意してないから。