カイザーの日記


  2020.5.16〜2020.5.27



 2020.5.16 (土)
              (朝は竹林の横を歩き、日中は西公園を歩きます。)
おやすみなさ〜い。 僕、先に寝るね。
 「おやすみ、カイザー。」

訓練所でカットしてもらってから、夜はちょっと涼しいんだよね。
どれ、よっこらしょ。 うん、ここがいいな。
あったかくて、ふかふかする。よく寝られそうだ。

 「ちょっと、カイ、自分の布団で寝てよ。」
だって、ママのお布団の方があったかいんだもん。
僕のは、シーツが冷たいんだもん。
ママ、そっちで寝ていいよ。

(仙台の夜は、まだ気温が下がります。
全身をサマーカットしてから、カイザーは家族の布団を
愛用するようになっています。
4代目のバナ子の比ではない、やりたい放題。
言い方を換えると、甘やかし放題・・・。)

2020.5.17 (日)

             (好き勝手をするくせに、人の姿が見えないと不安。)
お! いい枝があった。 今日は、これにしようっと。
枝をくわえて、走る。 気持ちいい〜。
そして、枝をかじる。 バリバリッ、うん、いい感じ。
 「こら、カイザー、枝を食べないの。」
や〜だよ〜、だ。
 「こらっ!」
ママがこっちに来る。引き寄せて・・・サッと逃げる。
へへ、どんなもんだい。
僕は足が速いから、いつだって逃げられる。

バリッ・・・もぐもぐ・・・バリリッ。 
あれ?ママがいない。 ママ、どこに行っちゃったの?
やだ、置いて行かれたんだ。
ひとりは、やだよ〜。 置いていかないでよ〜。
駆け足、急げ! ・・・いた! 見えたぞ。
大きな木の後ろに隠れてる。

どうしてそんなことするのさ〜。
どうして置いてっちゃうのさ〜。
てや〜っ、えいや〜っ、そりゃそりゃ〜!

(枝をかじっては食べることに夢中になっているカイザーを
草地に置き去りにして、少し離れたところの大木の陰から
様子をうかがっていました。
ハッと気づいたカイザー、あわててダッシュで駆け出し、
わたしの姿を見つけると、狂ったように大きく円を描いて
ぐるぐると走り続けます。どうやら怒っている様子です。
猛スピードで、ひたすらぐるぐる、ぐるぐる。
そして、わたしを追い抜いて走り去って行きました。)

2020.5.18 (月)

                      (僕は〜、ひとりはいやなんだよ〜。)
ひろちゃんが来ない。僕に会いに来てくれない。
きのうも会ってない。 今日もお店に来ない。
きっと、もう僕のことなんかどうだっていいんだ。
いいよ、別に。 僕はひとりだって平気だから。

帰るの? わかった。
ひとりぼっちの僕は、さっさと階段を下りて車に乗るよ。
お店にいても、いいことなんかなんにもないもんね。

・・・おうちに帰る道じゃない。どこに行くんだろう?
車が止まった。誰かがこっちに来る。
誰か・・・ぐわ〜お〜っ! おおお〜っ!
ひ、ひ、ひろちゃんだ〜!
会いたかった、会いたかった、僕、すごくさびしかった。
下りる。車から下りる。 えいっ。
 「カイザー、だめ。 危ないからやめなさい。」
やだ。 僕はひろちゃんのところに行くんだ。
 「カイザー、やめなさい!」

・・・みんな、僕のこときらいなんだね。
いいよ、わかったよ。
 「怒られると、そうやってすぐにすねるんだから。」
すねる、ってなにさ。僕は、これが普通だよ。

(店の2階で暗い目をして1日を過ごしたカイザー。
仕事を終えてからひろのところに行くと、興奮状態で車の
座席をよじ登り、外に飛び出そうとします。
危ないので全身で押しとどめて元の座席に戻すと、
プンとむくれてそっぽを向きます。
ひろが「じゃあね、カイちゃん」と声をかけても、プン。)

2020.5.19 (火)

                   (う〜んと背伸びをして、これから爆走します。)  
今日は、朝からず〜っと雨が降ってる。
公園には、人も、犬も、誰もいない。 シーンとしてる。
誰か、友だち来ないかなぁ。 ・・・あ! ほかの犬が来た。
遊べないかな。 ママ、向こうに行っちゃだめ?
 「雨が強いから、今日は遊ぶのは無理。」
僕は、雨が降ってても平気だよ。
 「カイザー、先に進むわよ。」
・・・わかったよ、遊ばせてくれないんだね。

あ! 女の人がこっちに歩いてくる。
ねぇ、あれ、ひろちゃんじゃない? 僕を追いかけてきたんだ。
 「カイザー、違う。 知らない人。」
そうかなぁ・・・う〜ん、顔がよく見えないや。
行っちゃった。 違ったんだ。

あ! また女の人が歩いてる。
今度こそ、ひろちゃんじゃないかな。
 「カイ、ひろは来ないのよ。」
ママ、この間もそう言ったけど、ちゃんと来たもん。
僕、待ってる。

(朝から夜まで、どしゃ降りの雨の1日。
カイザーは、見かけた日本犬の女の子さんに未練たらたら。
そして女の人を見かけると、もしや、ひろでは、と期待して
立ち止まり、じ〜っと見つめます。
残念ながら来ないんだなぁ、カイちゃん。)

2020.5.20 (水)

            (人にも、仲良しの犬さんにも飢えているカイザーです。)   
今日も雨降りだった。 誰にも会わなかった。
なんだか、この頃つまんないや。
あゆちゃんには、ず〜っと会ってないし、ひろちゃんも
お店に来なくなっちゃった。
ドッグランってとこにも、ずっと行ってない。
みんな元気かな。 仲良しの友だちに会いたいな。

もうすぐお店に着く。 ・・・ん? お店の前に誰かいるぞ。
 「カイちゃん、おかえり〜。」
あ〜っ! 僕の友だちだ。お〜い、やっほ〜!
会いたかったよ〜。ねぇねぇ、元気だった?
うひゃひゃっ、うれしいな。
お店の中に入ろうよ。 来て、来て。

(沈んだ気分のまま散歩から戻って来たカイザーですが、
店に着いたところで仲良しの2頭のジャックラッセルテリアに
気づき、大喜び。
前足で踏んでしまうのでは、と心配になるくらい、カイの
足元でくるくると動く小さな相手。
カイザーはしっぽをブンブンと振りながら大歓迎していました。

この2頭が看板犬のカフェも休業中のため、以前のように
”常連犬”として通うことができずにいます。)

2020.5.21 (木)

              (えいっ、この枝が欲しい。取れないな、えいっ。)
ママ、僕、先に寝てるね。 早く来てね。
どれ、ママはそっち側で寝るから、僕はこっち側の半分。
よっこらしょ・・・これでいいかな。
ふうっ、あったかいお布団って、いいな。
落ち着いて寝られるもんね。

 「あら、カイちゃん、半分空けといてくれたんだ。」
うん。 こうすれば、体をくっつけて寝られるでしょ。
ママにぴったりくっついて・・・むふ、おやすみなさ〜い。

(わたしが歯磨きを終えると、さっと起き上がって布団へ移動する
カイザー。布団をド〜ンと占領することはなくなり、ちょうど
縦半分を空けておくようになりました。
そして、ぴったりと体を寄せてきます。
たしかに、これはあったかい。
最高気温が10度台が続く仙台では、「涼しいですね」ではなく、
「寒いですね」があいさつ代わり。
サマーカットしたセント・バーナードも、夜の冷え込みは
こたえるみたいです。)

2020.5.22 (金)

            (遊んでくれる人がいないと、今ひとつ元気がありません。)
あ! 道路の向こう側を犬が歩いてる。
もしかしたら友だちじゃないかな。
早く向こうに行きたい。 あ〜、離れて行っちゃう。
 「カイザー、赤信号なんだから無理よ。渡れない。」
わかってるけど、遊びたいんだもん。
 「しかしカイちゃん、あんなに離れてるのによく見えるわね。
  人の顔は近くでも判別がつかないのに。」
人はわかんないけど、動物だとわかるんだ。
 「ふうん、そういうものなんだ。」
うん、そういうものなの。

あ! 木の下に鳥がいる。
 「え? どこ?」
ほら、そこ。 今、歩いてる。
 「ほんとだ。 あんなに離れてるのに、よく気づくわねぇ。」
えへへ、まぁね。

(人間の場合、相手が声を出してくれないと判別がつかず、
間近に来るまでじ〜っと見つめているカイザーですが、
動物だと遠く離れていてもすぐに反応します。
交差点を渡った向こう側にいるちっちゃな小型犬にも、
ピクッと耳を立てて期待顔。
木の下を歩いている保護色の鳥も見つけます。
ただし、カイザーが存在に気付かない例外もあります。
それは、西公園内で息を潜めているネコ。
陰に隠れてカイザーを目で追っているネコの前を通り過ぎ、
ま〜ったく気がつきません。)

2020.5.23 (土)

             (うわ〜っ、若いころの2代目ベートーベンにそっくり!)
あべお兄ちゃんが来てくれたよ〜。
やっと、僕に会いに来てくれた人がいるよ〜。
ううっ、うれしい。お兄ちゃ〜ん。

今日は、どうしてこんなに遅かったの?
僕、だぁれも来てくれないかと思ってた。
 「悪かったな。ちょっと用事があったんだ。」
ゴロンするから、お腹をいっぱいこちょこちょしてね。
 「わかった、わかった。よ〜し、よしよし。」
むに〜ん、お兄ちゃ〜ん。

僕ね、この頃、さびしいんだ。
だって、あゆちゃんも、ひろちゃんも来ないんだよ。
誰も僕と遊んでくれないの。
 「そうか、そうか。 お腹いっぱいこちょこちょな。」
うん!

(あべお兄ちゃんも欠席かと思った雨の土曜日、夕方になって
ようやくカイザーの待ち人が来ました。
甘えに甘えて、子犬のよう。

この日、店の書棚の整理をしたら、古いノートが出てきました。
30数年前、大学時代にあべお兄ちゃんがアルバイトをしていた
時の出勤簿です。
勤務時間を記録してある余白に、味わい深い句が記されて
いました。本人の承諾を得て、紹介させていただきます。
 「五月晴れ ベーの頭はいつも晴れ」
 「梅雨空を 吹き飛ばすべーのピーカンかな(字余り)」
 「来ぬ夏を 心に思う(うれう)ベートーベン」
 「雷や ガンシャイだったねベートーベン」
 「赤とんぼ 群れて逃げ出すベーの腹」
あべにいの学生時代を如実に表している句です。
ちなみに、彼は某国立大の理系の学生でした。)

2020.5.24 (日)

                (かくれんぼをすると、本気で不安がります。)
ママ、どこに行くの?
 「トイレ。ついて来なくていいからね。」

どこに行くの、ママ?
 「そっちの部屋に行くだけ。
  も〜、ひたひたと後ろをついて回って、カイは。」
だって、どこかに行っちゃうかもしれないでしょ。
僕、前にひとりでお留守番だったことがあるもん。
ひとりは、絶対にいやだからね。
 「今日は置いていかないってば。」
そんなの、わかんないよ。
僕は、ママにぴったりくっついて行く。
ママの動きを見張ってなくちゃ。

(わたしが立ち上がると自分も立ち上がり、疑い深い目つきで
後をついてくるカイザー。
伏せている時も目が潜望鏡のように動き、こちらの様子を
見張っています。
こんな甘えん坊に誰がした? 
心当たりがある家族は挙手を・・・あ、全員ですね。)

2020.5.25 (月)

            (草地のあちこちに、かじりかけの枝が転がっています。)  
む〜ん、気になるなぁ。
この大きな木の下に、何かが匂いをつけていってる。
僕、毎朝ここに自分の匂いを残してるんだよ。
それなのに、僕がいない間にまた何かが来てる。
やんなっちゃう。 ケンカするつもりかな。

ふんふん? 今日は、念入りに匂いをつけておかなくちゃ。
まず、木のこっち側から1回、そして反対側からもう1回。
誰だか知らないけど、ここは僕の場所だからね。

あ! ママ、待ってよ〜。 先に行かないで。
よ〜し、スピード全開、行っくぞ〜!
ダダダダダダッ!

(秋になるとリスの家族がやって来るクルミの木があります。
そのすぐ隣に大きな杉の木。
このところ、カイザーは杉の木の根元の匂いが気になる様子。
毎朝、入念なチェックをしています。
それが済むと、草地へ向かって全速力で駆け出します。)

(インスタを担当しているひろが、都合が悪くて更新できずに
います。楽しみにして下さっている方々、ごめんなさい。
店にも来られないので、カイザーはがっくり。)

2020.5.26 (火)

               (朝は野生児そのもの、自由に駆け回ります。)
あうっ、へうっ、むぎぎっ、うににっ、ばうばうっ。
来た、来たんだ、やっと。 ひろちゃんが来た。
どうして今まで来てくれなかったの?
会いたかったよ〜、さびしかったよ〜。
 
 「カイちゃ〜ん! 新しいおもちゃ、買ってきたからね。
  それに、ブタミミも。 おいで。」
ほんと!? やった〜。
見せて、新しいおもちゃ。 どんなのかな?
その袋、早く開けてよ〜。
 「ちょっと、ひろはもういいの? おもちゃ優先?」
それ、ピーピーって音が出る? 
早くくわえさせて、僕の新しいおもちゃ!
 「なんてやつだ。」

(久しぶりに店にやって来たひろを、押し倒さんばかりの
勢いのカイザー。でも、これもほんのひととき。
ひろが取り出したおもちゃの袋を見ると目がらんらん。
ピーピーと音が出て、引っ張りっこもできるタイプの
おもちゃは、すぐにぬちゃぬちゃ状態に。
そして、中に鈴が入っているネコ用のボールが気に入った
様子。大きな体で、大喜びでネコのようにボールを
追いかけています。

満足したのか、夜はぐっすりでした。)

2020.5.27 (水)

              (サマーカットすると、筋肉の具合がよくわかります。)
今日も、ひろちゃんが来てくれた。
今、ひろちゃんと散歩してる。 公園じゃないよ。
この道を歩くってことは、多分、あそこに行くんだと思うな。
あのね、カフェってとこ。 僕、カフェが大好きなんだ。

あれ? いつものお店じゃない。 知らないとこだ。
でも、新しいお店もいいな。 今日は、ここでゆっくりしようっと。
 「カイちゃん、買い物済んだから帰るよ。」
え・・・?
 「カイザー、行くよ。」
は・・・?
 「カイザー、店の正面でやめて。動いて。」
・・・やだ。 僕は、ここで休んでく、絶対に。
 「しょうがないなぁ。 あの、テラス席は犬もいいですか?」
やったぁ。 お店の人、いいですよ、って言ってる。
それじゃ、僕はここでゴロ〜ンと横になって・・・。
 「カイ! それはやめて。」

(近くの新しい店に、ひろがカイザーを連れてスイーツを買いに。
買い物を済ませて帰ろうとしたら甘かった。
「僕は、カフェに来たら中に入っていくよ。」と、常連犬として
鳴らしている店と同じつもりでフリーズ。
仕方なく、ひろはテラス席でしばしカフェタイム。

久しぶりのカフェを堪能し、西公園では仲良しの友だちに会えて、
飼い主さんにおやつをいただき、この日もカイザーはご満悦。)、