“ 白バラの心 ”   No.11


No.10 の「ガン日記」、胸の摘出手術の続きです。「ガン日記」は、これが最後。
入院中の記述は、病室を見舞って下さった方との交流等に個人的な部分が多いので、
かなり削除いたしました。
この後は最後のドイツ旅行、9月の記録ノートに移ります。

残された命は、あと5ヶ月です。

 
        仙台の実家の庭で草むしり     両親は四季折々の花を咲かせ、ひとみも花を愛しました

   
    2005.6.15(水)
 6:00  検温
 パジャマを持ち上げ、傷をチラッと見る。まっすぐな傷が見えた。
 右胸は、まっ平だった。右脇下が痛んだ。
 どうして、こういうことになってしまったんだろう・・と思った。
      
 午前中、うとうとする。

 14:00  Dr.N &H etc 回診
  「皮膚の色が変わっているところは全部取りました。10日位かけて調べます。
   髪は伸びたんですか? 今後のことは、あとでご相談しましょう。」

 午後、ビデオを見る。 

   6.16(木)
 夜、眠れず。     昨日の体液 70ml
 10:00  A会の人、来る。
 11:30  Tさん、来る。(M弁護士からのFaxを持って)
 17:00  ナースが背中をふいてくれる。パジャマを着替える。
        右胸、ガンのあったあたりがピクピク痛む。
 18:30  Dr.Hの回診  「きれいな傷」「放射線のあとは、2年で治る」 
        「教科書通りね」と、ナース。
 19:30  ピンクの大きなフラワーバスケット

   6.17(金)
 昨日の体液 50ml以下(48?)
 7:30   回診で脇の管を抜いてガーゼを当てる。明日、退院可とのこと。
        以前は体液が20ml以下で退院だったが、50mlも20mlも変わらないことが
        わかったので、今は50ml以下で退院。
 13:00  410号のKさん来る。 6Fの庭に(行く)。
 15:00  Yさん、来る。
 夕方の回診で、Dr.Y&T&Aが「きれい、きれい」 傷がきれいだと言う。

   6.18(土)
 7:30   検温       8:00  朝食    8:30  TさんにTel  
 10:00  KさんにTel   10:30  Dr.H&A 回診   14:00  Tさん来る

 16:00  家に着く。 
       メダカが何匹か生まれていた。 きゅうりが1本、大きくなっていた。 花に水をやる。
   
             今は、1人で泣きたい。

   6.19(日)
 買い物に行く。 量は、いつもの半分しか買えない。それでも重い。
 午後、花の写真を撮る。 傷が痛む。
 21:40  マリアンネとchefinからtel  うれしかった。泣きそうになる。

   6.20(月)
 11:00  YさんからTel  うれしかった。

   6.21(火)
 先週は手術をしていた・・・・。 毎朝、メダカを見ていると心がなごむ。

   6.25(土)
 退院から1週間。右手はほとんど上まで上がるようになったが、時々(日に数回)しびれる。
         
             自分1人で生きていくしかない。

  6.27(月)
 14:35〜14:50  Dr.N 「抗ガン剤もホルモン剤も効かない、珍しいケース」
 次回は、4ヵ月後。  
 帰りぎわ、薬局近くでDr.Hと会う。 放射線の後遺症のなかったことを喜んでくれた。

  6.28
 3人の弁護士さんにメールを書きながら、「もう治療方法がなく、運次第」ということに
 初めて涙が出た。

  7.4(月)
 AさんからTel。

 16:00  K氏からtel。 ガンだと言っているのに、「5年、10年たてば、病気のことも
        貴重な人生経験になる。」の言葉にいらつく。
              「私には、5年、10年という時間はもうないんです。」
       大病院で治験材料にされ、それが失敗に終わったということも話したのに、
       「ガンでも、今はいい薬があるんだから。」
              「私には、もう治療方法がないんです!」

           
                        (次ページに訳詩)
「迫りくるすべての敵に刃向かえ!」    
      松本 道介 訳                         大山 定一 訳
 
    「臆病な思い                           「臆病な考えや
     弱気の迷い                           不安なためらいや
     女々しい逡巡                          女々しい足ぶみや
     けちな愚痴                            あわれな訴えは
     いずれも逆境を転じてはくれぬ                決して君を自由の身にはせぬ                  
     きみを救ってはくれぬ

     迫りくるすべての敵に                     暴力に抵抗して強く立ち上がり
     刃向かいつづけ                         屈服をいさぎよしとせず
     決して屈服せず                         あくまでも戦いぬいて
     自分の力を示すときこそ                    初めて君は神々の
     神々の大軍を                          神聖な救いの手をよろこぶことができるのだ」
     招き寄せることができる」


 ★ 「化学療法 温熱療法 手術なしで温熱を初期の患者に 免疫療法 漢方」等、調べもののメモ書き 

 
       ドイツの観光地で牢屋に入る              書籍市で新刊の原書をチェック
 


 入院前後にいただいたお手紙やFAXが、はさんであります。1部をご紹介させていただきます。

     あなたのように、まっすぐに前を見て歩いている女性もあまりいませんよね。
      まるで妹でも見ているような、そんな気がしています。(私と)似ているもの。
      ただね、あなたは1人で闘わなければいけないんだから、時にケセラセラになって下さい。
      この年齢になって、こんなにもいとおしく思える人と交流できるのは、うれしいです。
      時々ふっと、どうしてっかなあ、って思います。
      あの雅子さんも、大変な闘いをやってるのだと思います。あなたもね。
      あなたが元気でいられるよう祈ります。