「 若林ひとみの文京区議会便り   No.19  2002年梅雨号 


 前号からまたもや1年が経ってしまいました。気がつけば、私も議員になって
    8年目、来春は再び選挙です。思い描いていた人生とはかなり違った生き方を
    している自分に、今でも戸惑いを覚えます。

     2002年7月17日 発行   全6ページから抜粋・要約


     
       シビックセンター建設に関する損害賠償訴訟は地裁で敗訴

2002年2月8日に東京地裁で判決、敗訴。その後、東京高等裁判所に控訴、
まもなく高裁の判決が出る。

やっと開示された単価表(前号参照)を全部チェックするには200万円かかるそうなので、
議場の明かり取り部分に絞って提訴することにした。
1995年、
シビックセンターを設計した日建設計の最高顧問H氏は、専門誌の中で
「真昼間から電気をつけて議事をしているのは美しい光景ではないと思ったので、
議場に自然光が入るようにした。」と述べているが、晴天時でも照明をつけないと
薄暗くて議事ができない。

不要なこの明かり取りに要した工事費8億1300万円他を、日建設計と建設会社に
賠償してほしいというのが提訴の主旨である。
法廷での争点は「日中、自然光により議事ができること」が契約内容になっていたか
どうかになり、そのような契約ではないということで地裁は損害賠償請求を認めなかった。
しかし裁判の過程で、議場の照度がJIS基準を満たしていないことがわかった。
この件と高裁の結果については、次号でご報告する。


              
                今までの一般質問から

Q:  シビックセンター3階の屋上庭園を屋上緑化の実験場にしてはどうか。
A: 今後、検討していきたい。

解説> 屋上緑化を行なうと、階下の室温が外気より7〜8度下がり、冬は逆に暖かいという。
      それにより、室外機からの放熱と電力消費量が減る。
      渋谷区は、職員の創意工夫でほとんどお金をかけずに分庁舎の屋上を緑化し、
      諸外国も含む区内外の見学者に、簡単に緑化できる最新の技術を見せている。
      文京区は2年前に、屋上も緑化対象地に加えて緑化率を高めるよう基準を強化し、
      区民に緑化を呼びかけている。
      その前に、まず区自らが区有施設での緑化を行なうべきである。
      区は、3階の屋上緑化の検討を開始してくれた。来年夏には、あそこが癒しの空間に
      なっていることを期待したい。

Q: 現行外部監査人を再選定した理由は何か。また、予算執行に関する議員の指摘を
   今までどう受け止めてきたか。
A: 再選定したのは市民オンブズマンの評価が高かったからである。また、議会の指摘は真摯に
   受け止めてきた。

解説> 外部監査の内容をチェックするには、チェックする側にも調査能力が必要である。
       市民オンブズマンが各自治体の外部監査の状況を調べてランキングを発表、文京区は
       “上の下”ぐらいの評価だったそうである。あの外部監査が上位ということは、全体的に
       相当レベルが低いということである。
       さて、文京区は3年連続で外部監査を同じ公認会計士に委託したが、私はこれに反対した。
       (外部監査については前号を参照)
       私が以前から本会議や特別委員会で指摘してきた事柄が、前年度に続き昨年度の
       内容にもいくつか含まれている。指摘を本当に真摯に受け止めていたなら、外部監査人に
       高額な報酬を払って同じ指摘をしてもらう必要もなかったろう。

                   

                      賛成した議員の責任

市民フォーラムの議員2人が、「維持管理費がかかる建物を設計建設したのは区長の責任であって、
区民の責任ではない。」と、施設利用料の値上げに反対した。この主張は正しいのだが、2人は
建設に賛成した議員と会派を組み、賛成派の後継者である。建設に賛成した議員の責任をどう
考えているのだろうか。
私の質問に対し当の議員からは返事がなかったが、2人と同じ会派の議員が「維持管理費が
いくらになるか、具体的な数値を職員に出してもらっていなかった。」と答えた。
みなさんは、どう思われる?

                      

                       永年在職議員表彰


文京区議会では、通算20・30・40年議員を務めると、それぞれの節目に表彰され2万5千円〜
4万5千円の記念品が出る。職員は25年目に1回だけ、記念品の額も1万円以下である。
決算委員会で、議員の表彰の回数と記念品の見直しを提案した。
私達は自ら望んで立候補し、住民代表として仕事をしているのだから、本来、表彰そのものが
不要のはずである。


                        
西条都議、失職

前区議で5年前に都議となり、昨年再選を果たした西条都議が公職選挙法違反で失職した。
東京都は西条氏に対し、逮捕後、拘留されていた3ヶ月間の議員報酬等408万円の返還を
求めている。(西条氏に関しては、区議会便り2号を参照)
来春、都知事選挙に合わせて都議の補選が行なわれる。「大変だ、問題だ」と口で言うだけではなく、
問題を自分で調査し、改善していく力のある人に当選してほしいと思う。


                  
公園ガーデナーが増加
      
今年で3年目の公園ガーデナー制度。平日・休日コースとも昨年より参加者が増えた。
「通勤の時に見ていて、自分もやってみようと思った」という新参加者のうれしい声。
来年は、あなたもやってみない?

                   
                議員待遇者会控え室が議会特別応接室に
  
区議会便り4&14号で問題点を指摘した議員待遇者会控え室。
昨年から議会特別応接室となり、議員が一緒なら区民も会議等に使うことができるようになった。 
一緒に運動してくれたみなさんのお陰である。1度、この部屋でみなさんと一緒に会議を開こうと
思っている。

                    
                
大規模校の受け入れ制限が行なわれる     

区内の学校では全体的に児童数が減る中、特定の区立小学校では越境入学者数が増え続け、
過密状態となっていた。6〜7年前に小学校の統合が検討された時、「学校の適正規模を言うなら、
大規模校の過密状態を解消することも検討すべきだ。」と文教委員会で私が発言した。
区教委の回答は、「数年で児童数は落ち着くから大丈夫」であった。
数年後、児童数は逆に収容不能なほどに増加し、昨春、急きょ1クラスを増設、工事費に412万円を
支出した。もっと早くに決断してほしかったと思う。


                 
教育委員会の議事録が充実


今まで要点筆記
だった議事録が、今年度からテープ起こしになった。
テープ起こしは年間60万円の予算でできることなので、昨年何度か要望していた。
最近の委員会の審議は、中野区にひけをとらないくらい活発になってきた。以前の「これで
よろしいですね。」という委員長の一言で終わっていた委員会がうそのようである。


               
都議会議員偽造領収書事件の裁判に勝訴


前号にも少し記した上記裁判に勝った。被告が控訴しなかったので、私の勝訴が確定した。
これからは、議員も公務員も法で定められた金額以上に勝手に宿泊費を増額することは
できない。(鈴木宗男議員がらみで、外務省が同様の手口で旅費を浮かせていたようである。)


                      
入札の見学が可能に


今年4月から、区が行なう入札を見学できるようになった。
シビックセンター15階にある入札室には窓もなく、部屋の入り口付近もついたてで仕切られ
近寄りがたい雰囲気があった。
2年前に入札の一般公開をしている北海道を視察し、文京区でもできないか契約管財課長に
尋ねたときは「無理だ」ということだった。だが、入札室に窓をつけ、音声をスピーカーで部屋の
外に流して公開成立。臨場感満点である。
併せて、私が廃止を求めてきた現場説明会(入札に参加する業者を集めて行なわれる説明会。
談合を招きやすい。)も廃止された。改善に取り組んで下さった職員のみなさんに感謝!

    
 最後に、2年分の収支報告書を掲載。
☆ 次号は年内には発行したいと思っている。遅れた場合はご容赦を。

         
 
         ☆          ☆          ☆           ☆

姉の区議会便りの発行が1年に1回になったのと同様、このホームページの更新もすっかり間遠く
なってしまいました。申し訳ありません。
言い訳をすると、父が脳梗塞で倒れてから
一層いろいろな意味で余裕がなくなってしまいました。

最近改めて思うのは、姉の議員活動は10年早かったのだなということです。

事業仕分けなどの報道を見るにつけ、今であれば、それこそ水を得た魚のように生き生きと走り回って
いたであろうに、と若林ひとみの実績をふりかえって思います。
次回の更新はいつになるか・・未定です。