” HITOMI コレクション ” Part 9 

  2005年11月発行の若林ひとみの遺作「名作に描かれたクリスマス」(岩波書店)では、
  本文37〜38ページに登場するエリナー・ファージョン作の短編集「ムギとの王さま」の中の
  「ガラスのクジャク」で描かれるクリスマスツリーを、1890〜1920年代の様々な
  クリスマスグッズを使い、カラー口絵の1ページ目で再現しています。
  『小さなガスランプやロウソクたて・・赤と銀色のサンタ・クロース、金銀の小さなガラス玉を
   じゅずつなぎにしたもの・・ガラスでできた鳥・・青とみどりと金の色がゆれ動いているような
   クジャク・・』(本文38ページ 「ガラスのクジャク」の文から抜粋)などを、
  木製のツリースタンドとガチョウの羽で作られたツリーに飾りつけ、その足元には陶器の
  小さな人形達、セント・ニクラウス、サンタ・クロース、天使が並びます。

  箱に収められた、こわれやすい1900年前後のこれらの飾りは、
  本文39ページ〜40ページのボストン作「グリーン・ノウの子どもたち」の文そのままです。
  『色ガラスのかざりを1つ1つうすい紙につつんで、いくつかの箱に、毎年だいじにしまって
   きていたのだ。なかには、ずいぶん昔の、ほんとうに貴重なものもあった。』
  『松かさ・・鐘・・金や銀の太陽・・』(本文中の「グリーン・ノウの子どもたち」から抜粋)

  今回は、再現シーンで使用した品々と、カラー口絵2ページ目で取り上げた品の
  いくつかをご紹介いたします。

直径8cm 20世紀初めのおおらかな太陽
長さ8cm 金地に白い雪の松ぼっくり
日本のコケシのような顔つきの雪だるま
枝にクリップで留めるサンタ・クロース
1920年頃のベル 長さ6cm
カラー口絵の2ページ目で紹介
取り出すと表面の吹きつけがパラパラと落ちます
長さ10cm ロウソク
ツリーに取りつけられたガラスの鳥達
ツリーのてっぺんを飾るクジャク
鳥の大きさは いずれも長さ11〜12cm
『頭と尾は、きぬのような糸ガラス』 本文から 
糸ガラスに彩色してあります
『小さなガスランプ』
これらも「ガラスのクジャク」のツリーに登場
中央のくぼみに絵付け    松ぼっくり
カラー口絵1ページ目  ツリーの足元の人形
『金銀の小さなガラス玉をじゅずつなぎにしたもの』
聖ニコラウスからサンタ・クロースへ(1ページ目)
(2ページ目)1910年のスズの兵隊 高さ4cm

引越の梱包は業者さんにお任せしましたので、段ボール箱の中はいろんなものが混載しています。
貴重な古いコレクションと同じ箱に最近の新しいオーナメントが入っていたり、
若林ひとみ本人の思い出のぬいぐるみが聖ニコラウスと一緒に眠っていたり、
厳重な包みを開けてみると日用品が転がり出てきたり、遅々として進まぬコレクションの整理です。
しかし、整理を進めるごとに「これと同じものが、あの箱に入っていたはず」
「これは、あれと同じ種類に違いない」「これは本の撮影で使ったもの」と
少しずつ判断がつくようになってきました。
未開封のダンボール、手つかずの包みがまだまだ山積み。
まとまった時間と広い場所が欲しい!です。