”HITOMI コレクション” Part8

   Part7でご紹介したツリーに下げるための童話・童謡の豆本と同じく、
   1930年代ナチス政権下、軍用資金目的で発行されたもう1種の豆本。
   ナチス&ヒトラー礼賛の写真集です。
   これも、クリスマスツリーに吊り下げるためのひもが付いていますが、
   必ずしもツリーだけが目的ではなく、胸ポケットなどにしのばせて
   政権への忠誠を確認するためのものでもあったようです。

   この豆本を掲載することにはためらいもありましたが、
   若林ひとみ本人がクリスマス研究の著作の中で
   アドルフ・ヒトラーの頭文字 ”A” を記したガラス玉や、
   爆弾の形を模したガラス玉などの写真も掲載していること、
   そして、これらもあくまでも本人の欧米クリスマス研究の流れの
   一環であり、1930年代のドイツで宗教的な行事を政治に
   利用しようとした時代があったのは事実であることを考え合わせ、
   掲載することにいたしました。

   Part7&8の豆本を購入するに当たっては、アンティークショップでナチス関連の品を
   店に出すわけにいかず、若林ひとみを信頼しての極秘情報に基づき、
   周囲を警戒しながら慎重な環境下で、個人のお宅で譲り受けたそうです。
   ナチスへの抵抗運動グループ ”白バラ” の研究に関連しても、
   この豆本を入手したかったのだと思います。
   本人の住まいの床から天井までの本棚には、ナチス研究の本も
   多数並んでいました。
   

これらが収められた箱のふたを開けた時、
”レイダース・失われたアーク”を思い浮かべました
ホチキスの芯の箱と大きさを比較
過去の亡霊たちが次々と現れます
愛らしい子供の写真があちこちに・・
この少年兵の命はどうなったのでしょうか
子供と一緒の写真が多く使われていることに
意図的なものを感じます
子供達と食卓を共にするヒトラー
憧れに満ちた若い女性のまなざし・・
かつては、どこかの家庭のクリスマスツリーを
この豆本が飾ったのですね
この本がこれだけ揃っているのは他にないとか
雪のアルプスを歩くヒトラー
この写真を当時の人はどんな思いで見つめたのか
ナチスの施設写真集の豆本

    コレクション展示のお話などもいただいておりますが、
    まずは改めて多数のコレクションの見直しと整理を行ない、
    若林ひとみの著作を読み直して、クリスマスに関する知識について
    頭の中の整理もしなければいけません。