“ HITOMI コレクション ” Part 24


2005年9月、末期ガンの症状をおして最後のドイツ旅行、そして最後のアンティーク収集。
帰国してから病が一気に悪化し、ドイツから届いた大きな梱包の荷ほどきをする体力も気力も時間もなく、
未開封の荷物がマンションの狭い廊下をふさいでいました。
この最後のドールハウス、「税関で検査のために1度開封し再び梱包した」とシールが貼ってあります。
注意深く開けてみると・・、重厚な木の家の中に白い粉が無残に散乱、小麦粉です。
小麦粉が入った袋を検査して(麻薬検査?)口をしばらないまま戻したようで、横倒しになっていました。

まず、こぼれた小麦粉を掃除し、それから、1つ1つ包んである小さなミニチュアの道具類を取り出します。
1800年代のドイツのパン屋、これまでのドールハウスと比べると木が厚くて家そのものに重量があります。
当時使われていた道具類を1つ1つ手作りで、実に忠実に再現してあります。
真鍮・鋳鉄・木彫り・刃物etc、限りなく本物のミニチュア、実際に使えます!
シナモンも本物がケースに詰められており、ドールハウス全体に匂いがしみついていました。

聖ニコラウスの形のチョコレートには、“コレクションPart16”の5段目でご紹介した、
ニュルンベルクの菓子店の容器の「クマのロゴ」シールが貼ってあります。
ただし、このドールハウスを購入した最後のドイツ旅行の際の本人のメモに、「昔はチョコは高かったので、
チョコのサンタは1932年頃から出てきた」とありますので、サンタ・チョコのミニチュアとチョコの型枠は、
遊ぶために家庭で後から購入したと思われます。(大きさもドールハウスに不似合いです。)
他にも2,3点、1800年代ではなく後の時代の物らしい品が含まれています。

若林ひとみが既に開封して中味を陳列してあったドールハウスも、小さな中味がすぐに倒れてしまい
展示する際には細心の注意が必要ですが、本当に小さな品々の梱包を1つずつ慎重に開けて並べていくのは
実に大変でした。
このドールハウスには、かなり使い込まれた(子供が遊んだ)形跡があります。

今回は画像が多いので、Part24とPart25の2つに分けてご紹介いたします。

屋根に雪が積もった家  58×35×高さ33cm
かんぬきを開けて、さぁ、これから陳列を開始
割ったまきは本物の木  外には煙突
小麦粉の貯蔵庫と袋  黒い点はチョコチップ
シナモンとナッツの容器  幅6.5cm
バターを作ります バターは石膏 直径6.5cm
焼き上がったパン
これからかまどで焼くクッキー
パンをかまどに入れる板と小麦粉をすくうスコップ
モミの木を抱える聖ニコラウスと天使のチョコレート
チョコレートの型  ウサギはイースター用
精巧な金具の打ち出し  11.5cm
円錐形のチョコ型と出来上がりの包装品
卵  金物の絞り口の先端に石膏のクリーム
香辛料の容器と水差し
 マッシャー(つぶす道具) チョコレートを溶かす鍋
大小の計量カップ
真鍮の鍋  小麦粉を入れて遊んだようです
焼き型はフックに吊り下げます
3×4cmのクッキーの押し型  ウサギやニワトリ
陶器の型  背中の針金でフックにかけます
ブドウや魚のパン型とクッキーの型
様々な形のレープクーヘンの型
火かき棒・泡立て器・金物の焼き型 12.5cm

   全体像はこれからです。 右上の「金物の焼き型」は見事な職人技。ドールハウスの扉に
   取り外し式の木の棚があり、棚の斜めの切り込みに引っかけて吊り下げます。
         “ Part25 ” へ続きます。