“ HITOMI コレクション ” Part.20


旧東ドイツとチェコの国境地帯のエルツ山地、かつては鉱山で栄えていました。
森林に囲まれて木材が豊富なため、冬の副業としての木工品作りもまた昔から盛んで、
“クルミ割り人形”を生み出した地域として知られています。
17世紀に鉱業がすたれてからは、木工品作りが主要な産業として成長します。
クルミ割り人形を始め、“聖歌隊と教会”のモチーフ、両手にロウソクを持つ人形、
クリスマスピラミッドなどクリスマスのための様々な木工品は、ドイツ国内への流通だけではなく、
やがて世界各地へ輸出されるようになりました。
(「クリスマスの文化史」 白水社刊 139ページ〜 “世界のおもちゃ工場ドイツ” を
  ご参照下さい。)

今回は、エルツで製作された“おもちゃ屋”のドールハウス(推定1950年頃)をご紹介いたします。

幅60×高さ26×奥行き26.5cm


周辺では牧畜も行なわれていたので
牛・羊・山羊・豚・馬・犬の人形も豊富

店の奥に売り子の男性が立っています

長い年月を経て1部が壊れている人形もあります

家畜からおもちゃ、メリーゴーランドまで様々

左端・クルミ割り人形の高さは8.5cm

聖歌隊と教会・塔の上まで8.5cm

手にロウソクを持つエルツの代表的な人形・5cm

牛や羊が森の草をはみます

日本の山羊とは種類が違いますね

大きなホルスタインの牛は幅7×高さ5.5cm

メリーゴーランドの高さ9.5×直径7cm

御者は帽子をかぶり、馬車の中には乗客

赤いロウソクも木製です

ワイングラスのセットと、下段はコマ

犬と大きなカエル 愛敬のある顔のブタ 2cm

ブタの形が違うのは、きっと職人さんの違いでしょう

右の車は木材を、左の車は牛乳を運びます

右の荷台の青・赤・黄の四角いものは何でしょう?

奥はメガネをかけたカラス アコーディオンを弾く鳥

外から見えるショーウィンドーになっています

ブランコは幅12×高さ7.5cm

店の中の棚にはティーポットのセットも

棚に置いてある実物大のマッチ箱

ふたを開けると、中はドールハウス!

購入時のDM(ドイツマルク)のメモ・・・絶句・・

生活様式はもちろん、ユーモアのセンスもあります